泥棒事件

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泥棒事件

途中に合って話しかけていたトルコ人に対して「イスタンブルからアンタルヤに向かっている」と言ったら宇宙人みたいにみられ、「テントで宿泊している」と付け加えたら唖然となり、お互いにぴちぴち喋り始める。やっぱり信じていないのかな。 アンタルヤまでの100キロが山登り道で足がしびれ始め、ヒッチハイクしてみた。ロシア語をちょっとしゃべれる若いトルコ人だった。恋人がロシア人で文通しているそうです。アンタルヤまで無事に届いた。16時過ぎていたのでテントを張れる場所を探し出した。地中海のビーチで焚火の跡がある所に決めた。飯炊こうと思ったらストーブと鍋が無かった!山道のどこかでトラックがジャンプしてオープントランクに入っていたリュックから外れたのだ。 アントンが冷静にゴミ捨て場に歩き出した。大きな缶詰の缶を見付け、そこに穴を潰し、ストーブにし、もう一つの缶を鍋として使った。また助かった! くたびれたのでテント張って直ぐ寝た。 朝は意外な所から日差しが入っていると気が付いた。目が覚めたら私の頭辺りにテントが切られ、金、帰りのフェーリーのチケットとパスポートが入っていたウェイストバッグが無い!アントンを肘で突いて起こさせた。一瞬のショックの後に探偵映画で見た場面を思い出し始めた。泥棒の心理は一番の貴重品を盗み、要らないものを捨てると言われ、ひょっとしてパスポートとチケットがどこか近辺に捨てられたのかな。アントンとルートを分け、探し出した。アントンは山の方へ、私はビーチ沿い。5分経ったらアントンが嬉しそうな顔で走ってきた。思った通り、ウェイストバッグにパスポートとチケットが残った。異常な喜びを抱いた!それでロシアに戻れる。ソーチからペンザまでの列車代は何とかなる。リュックの片隅にいざという時向けに予備の1万ルーブル札が用意されてあった。 金がないので予定より早く帰る事にした。アンタルヤからバスでイスタンブルに戻り、フェーリーに乗って2日間でソーチにたどり着いた。3週間続いたチャリンコ旅が無事に終結した。夏を延長して、ロシアで食べれない果物を木から摘んで食べれ、毎日意外な所で宿泊し、一生忘れらない経験だった。皆さんはチャリンコ旅は経験されたことがありますか?一度トライしてみたらどう?
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