隼人side

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「何か、箕島さんて『女の子はこう言ってあげれば喜ぶよね』みたいなとこ、たまにありますよね」 優花が、嫌味でも何でもなく「アメって甘いですよね」くらい当たり前のテンションで、そう言った。 「え……」 図星だった。 隼人の困惑する顔を見て、優花は「しまった」という顔をして、言葉を続けた。 「あの、すいません。だからそれが嫌だってわけではなくて……。 そうやって相手の気持ちくみ取れるのがすごいなって。 私、本当に空気読めなくて、よく相手を怒らせちゃうから……」 意外だった。 が、何となく分かる気もする。 本当の佐々木さんは、こういう感じなのだろう。 思ったことを臆せず、そのまま言ってしまう。 それによって相手を怒らせてしまった今までの経験から、人と関わることに消極的になっているのかもしれない。 「佐々木さん、大丈夫だよ。オレ、怒ってるわけじゃないから。むしろ、逆。図星過ぎて、自分が恥ずかしくなっただけだから」 正直、隼人は女の子を見下している部分があった。 女の子は自分にだいたい好意をもってくれるし、それ故、何を考えているのか手に取るように分かる。 仕事だって、結局は自分の方ができるし、女性に対して尊敬の念を持つこともなかった。 そんな隼人の価値観が、優花と関わるようになって、少し変化しつつあった。
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