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「いつもオレや他の社員が、快適に過ごせてたのも、スムーズに仕事できていたのも、佐々木さんのおかげだったんだなって。
気付きもしなかった自分が恥ずかしいよ」
いつの間にか天狗になって女性を見下していた自分を、隼人は恥じた。
「そんな!あの、私こんな性格だから、箕島さんのこと本当に尊敬してるんです!
いつも相手の気持ちを考えられて、皆を楽しませることができて……。
それに、『女性を見下してる』って、悪く言ったらそうなのかもしれないけど『相手を女性として認めてる』ってことだと思うんです。
箕島さん、女性が重い物を持っていたら代わってあげたり、絶対に車道側は歩かせなかったり、女性にすごく優しいじゃないですか。
私みたいな女にだって……。
女性は、箕島さんに『女性だ』って認めて優しく扱ってもらっていることに、悪い気なんてしてないと思います」
優花は一気に早口で言いきった。
驚いた。
佐々木さんが、そんな風に見てくれていたなんて。
「ありがとう……。佐々木さん、オレのこと本当によく見てくれているんだね」
ん?
自分で言いながら気付いた。
オレのこと、よく見てた?
それって、もしかして……
!
「あああああの、え、うわ、すいません!」
顔を真っ赤にした優花が、なぜか頭を下げて全力で謝った。
「すいません、あの、私みたいな女が……箕島さんのこと好きになったりして!」
「え!」
「え!」
お互い何が起きたのか分からず、一瞬フリーズしてしまった。
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