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「まじか……」
その日、優花は落ち込んでいた。
「お前どんなコがタイプなんだよ?」
「オレ窓口広いから誰でも大丈夫だけどな~。あえて言うなら、肌のキレイな子かな」
そんな慎也と隼人の会話を聞いてしまったのだ。
「肌のキレイな子……」
優花はトイレの鏡に映る自分を改めて見た。
TゾーンにもUゾーンにも容赦なくできた「大人ニキビ」が、ただでさえ美しくもない自分の顔を、さらに醜く見せた。
スマホのどんな美肌機能を使ったところで、到底ごまかせそうにないぼこぼこの肌。
こんな肌じゃ、好きですと告白することさえ申し訳ない気持ちになって来る。
「何とかしなきゃ……」
優花は家に帰ると、さっそくニキビケアについて調べ上げた。
一番評価がよさそうなニキビケア製品をとりあえず購入し、試してみることにした。
それだけでなく、水を飲んだり、野菜を食べたり、適度な運動をしたり。
肌にいいと思われることはとにかく全てやった。
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