introduction

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私、聖聖(ヒジリサトル)はどこにでもいる普通の教師であった。就職氷河期で就職できなかったので、念の為、取得していた教員免許で教師となった。熱意を持ってこの仕事を選んだ訳ではなかったが、最終的に教師になれて良かったと思っている。そんな私も年を取って今は教師を引退。病床で死が訪れるのを待っている。いつものようにベッドでやることもなく目を閉じていると隣のベッドからこんな話し声が聞こえてきた。無邪気な小学生くらいの女の子の声だ。 「小野先生?流れ星に3回お願いごとをすると願いが叶うって本当?」 「そうよ。お星様が、みーちゃんの願いを叶えてくれるのよ。」 「そうなんだ!学校の子がね、今度の日曜日は、お星様がよく見えるって!ママの病気が早く治るようにってお願いしなくちゃね!」 子供は素直だから良い。高校生は子供にカテゴライズされているが、割と思考は大人だ。こんな素直な発想は持ち合わせてない。現実を見ておりクールだ。私が何故こんなことを思うのか?私の受け持った女子生徒で風変りな生徒がいたからだ。 以前、男子高で父の日をテーマにした話をさせていただいたが、別に私は男子高のみで教鞭をとっていた訳ではない。男女共学の学校でも先生をしていた経験がある。今回は、ある風変りな女子生徒との話をしたいと思う。
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