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そのころ、ヘンゼルとグレーテルの家では、子どもたちを追い払ったお母さんが満足そうに膨らんだお腹を撫でていました。 「やれやれ、やっとあのガキどもを追い払ってくれたんだね。あんた。」 「ああ、ピクニックに行こうと言ったら、何も疑わずについてきたよ。狼の縄張りの中に置き去りにしてきてやった。」 お母さんはカラカラと声をあげて笑いました。 「オホホホホ。これであの子たちも二日とは生きていられまい!」 お父さんとお母さんは、邪悪な微笑みを交わしながら、腕を取り合いました。 「これで、あなたとお腹の子どもと三人で楽しく暮らせるわね。」 お母さんの瞳は今、エメラルドのように煌々と輝いているのでした。お父さんは、お母さんにキスをして、言いました。 「そうだお前、ちょっと森の中に斧を忘れてきてしまってね。取りに行ってくるよ。」 「あら、そうなの?分かったわ、気を付けて行ってきてちょうだいね。あなたは大事な一家の大黒柱だもの。」 「ああ、大丈夫さ。」 とお父さんは手を振って、森の中へと歩いて行きました。  子どもたちは、信じられないほどフカフカのベッドで、グッスリと眠りについていました。今度は温かくて柔らかい暗闇と静寂の中にいました。ヘンゼルもグレーテルもちっとも怖くはありませんでした。その時、バンバンという大きな物音が二人を目覚めさせました。物音は下から響いてくるようです。二人は、何が起こったのかと急いで昨日食事をしたテーブルまで降りていきました。そこで二人はとても信じられないものを目にしました。
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