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「まあ……、わたしも、最後、っていうか、その……、前にいつしたか、なんて覚えてないわけだけど……。ほら、ああ、今日が最後ね、なんてセックスしながら考えないよね、ま、普通の夫婦なら」 「ふふっ、僕も覚えてないなあ……。あ、じゃあ、僕、先にお風呂、入るから」と立ちあがる。 「は? いや、ちょ、ちょっと待ってよ」  なに。なんだって。お風呂。デリケートな話だから、切り出すまでにいろいろ考えて、シミュレーションもいっぱいしたのに、ここで、お風呂、っていうのは想定外。 「え、なに」  え、なに、なんてそんな無邪気な顔して言われても。 「いや……、ほら、わたしは、不安になったわけだから。あなたがもうわたしに興味なくなっちゃったんじゃないかって。だから、もうちょっとなんか言うことないの」 「ええ、なんで。だって、そんなことないもん。僕は君に興味津々だよ。ずーっと前から、いつも。君もそれは知ってると思ってたけど」 「いや、まあ……うん。そう……ね。そう。それは……、よかった」 「安心した?」 「う……、まあ……。でも……、興味はあるけど、でも、わたしを抱く気はない、って、そういうこと、なのかな?」 「え……、ああ、それは……。ま、そういう時もあるでしょ。ちょっとあいだが開くってこと。だって、ほら、もう5年経つわけだし、結婚してから」 「2年……」 「え?」 「2年くらい、かなあ、って……」
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