微かな希望ー天衣⑤ー

2/6
前へ
/210ページ
次へ
そう言えば、池野さんもこの地域には生き物の神が多いって言ってたけど……まさか蜘蛛の神様もいたなんてびっくりした。 まぁ、おばあちゃんの方言も中々凄かったよね。何弁なんだろう、あれ。 「天衣さん、足元見ないと危ないですよ」 烏山さんに言われて初めて足元の窪みに気がついた。山道って危ないや。そのままだったら多分転んでた。 「ありがとう烏山さん。荷物重くない?」 烏山さんが右手に提げてるのはおばあちゃんが蜘蛛の神様に捧げるために持たせてくれたお酒の瓶。折角なら付いてきてくれても良かったのにな。
/210ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加