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「ひいいいい!!」
たまたま一緒に来た勉の甲高い悲鳴は、今でも耳に残っている。
綺麗に退かされた椅子と机、血で床に描かれた魔法陣、その上で傷だらけの暁俊夫は首を吊っていた。
拝借された、運動会の備品として使われていたボロボロのロープは、彼の体を支えきれなかったのか、僕らの目の前でブツリと音を立てて千切れた。
暁君の死体が床にドサリと落ちたあの時、彼の目の中に潜んでいた何かは確かに僕を見ていた。
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