星空One man live

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 ノックしてみたけどお兄ちゃんはいないようで反応がない。  仕方がないので私は仕事部屋を兼ねているお兄ちゃんの部屋におっさんと二人で入る。  するとおっさんは少し落ち着いたのか親指を立ててにっかりと笑った。 「勝手に聞いたのは悪かったが、ピンクはギターも弾けて歌もうまいんだな。」  ……今のが?  いくら何でもあんなひどい歌をうまいだなんて…… 「あんなののどこが!?全然音も取れてないし……ギターどころか声だって……」  別にこのおっさんが悪いわけじゃない。  この人はお世辞とかでそう言っているわけじゃない……とは思うし。  それでもそう言わずにはいられなかった。  だって、あんな酷い歌。  人に聞かせるものじゃない。  「私は音楽について全然わからないのだが、今のはダメなのか?」 「あんなの人生で最低……練習して声出していた時と違う。」  レッスンに行くのをやめたのも、  歌うことをやめたののも自分だ。  この人に訴えても仕方ないのに……。
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