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昔からアイドルになるのは夢だった。
お父さんはいつも『モモはうちのアイドルだから』なんて言っていたのを、本気にしてアイドルの真似をしながら歌えば顔をほころばせて喜んでくれた。
お母さんもお兄ちゃんも。
近所の人たちも。
本気でアイドルを目指そうとしたのはそんなときからだったのかもしれない。
レッスンなんてお金もかかったはずなのに、家族みんなが協力してくれた。
そんな平凡なわが家が変わったのは母の手作りプリンが売れて一気にお金持ちになってから。
おかげで歌だけでなくダンスや演技などの他の分野のレッスンもさせてもらえるようになって、日に日に夢に近づくことができた。
学校が終われば急いでレッスンへ行くそんな毎日。
みんなみたいに遊びに行きたいと思ったこともあったけど、これは自分で選んだことだったし辛いなんて思っている時間はない。
だけど高校に入ってから、いやもしかしたら中学の時からかもしれない。
周りは私が思っているより冷たかった。
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