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「総理‼︎大泉総理」
議場を後にした大泉のもとにすかさず政治部の記者たちが詰め寄ってきた。
いつものお決まりの光景ではあるが、今日の彼らの目は些か血走っているように大泉は感じた。
歩みを止めずに、大泉は右手を少しだけ挙げ、彼らに向かってリアクションをとった。
「総理、肝いりのGW法が可決されました。今のお気持ちは」
20代の女性記者が先陣を切って質問を投げかけた。
彼女は最近、政治部に配属になり血気盛んだと大泉は思った。
「素直に喜ばしい。
今の世界情勢を鑑みるとこの法律こそが国民を幸せにするものだと私は信じておる」
「野党の賛成が得られない中での強行採決、それに対してはどのようにお考えで」
今度は、ベテランの記者が矢継ぎ早に次の質問を浴びせてきた。
大泉はその質問に対しては軽く笑みを浮かべ応えずに、再度同じ言葉を使った。
「この法律こそが国民を幸せにするものだと私は信じている」
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