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「ああ。いくら大まかな撮影スポットは聞いていたとはいえ、ピンポイントですぐに発見できるような場所じゃない。だから、Kが第一発見者になってもおかしくない“仕掛け”もしとかないとな」  どうやらOも同じテンションのようだ。自ら進んで何かを仕組もうとしている。  事件を解決させる推理ではないし、実験でもない。逆に警察を騙すようなことをしようとしているのだが、これもまた、Oとの忘れらない思い出になることだろう。  別れの時は刻一刻と近付いてきている。  不意にOのいない世界が脳裏をかすめる。空虚さを紛らわすため、蛍夏はぽつりと呟いた。 「Oはいま、何を見てるの?」
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