104人が本棚に入れています
本棚に追加
/333ページ
「ああ。いくら大まかな撮影スポットは聞いていたとはいえ、ピンポイントですぐに発見できるような場所じゃない。だから、Kが第一発見者になってもおかしくない“仕掛け”もしとかないとな」
どうやらOも同じテンションのようだ。自ら進んで何かを仕組もうとしている。
事件を解決させる推理ではないし、実験でもない。逆に警察を騙すようなことをしようとしているのだが、これもまた、Oとの忘れらない思い出になることだろう。
別れの時は刻一刻と近付いてきている。
不意にOのいない世界が脳裏をかすめる。空虚さを紛らわすため、蛍夏はぽつりと呟いた。
「Oはいま、何を見てるの?」
最初のコメントを投稿しよう!