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紅茶派の人もいる!
まずテレビを見たときに気づくべきだと思って自分の視野の狭さに愚かだと、ため息を吐いて
とりあえず座ってコーヒーを一口飲んだ。
昨日?と言うのか今日と言うのか?分からないけれど前に入れたときより少し美味しくない
そこは同じ美味しさであって欲しかった。
この謎の現象をどうしたものか
夢だと言うにはリアルでコーヒーの味も関節や頭の痛みもしっかりとある。
まず夢ではないことは確かだ。
ニュースを見る限り世界中の人間全てが時を巻き戻している。わけではなさそうだった。
なら何故俺だけなのか?
特に意味があるように思えない、
あの公園のベンチが関係しているのだろうか?
会社を辞めてから雨の日以外ずっとあそこにいるが、こんなことは初めてだ。
場所も関係なさそう
……
………
…………
考えてもしかたない気がしてきた
なんだかとてもバカバカしく思えて
前に作った時より美味しくないコーヒーと一緒にこのどうでもいい思考を胃の中に流し込んでため息に変えて外に吐き出した。
「この家にはコーヒーしか無いの?私、紅茶派なんだけど」
「すまないけどコーヒーしか無いよ。」
………
…………
…ん?
突然、顔に黒いモヤ?みたいなものがかかっている人の形をした何かが目の前に現れた。
「え!?誰?」
「何か拍子抜け
普通もっとおどろかない?目の前に変なのが現れたんだから」
こちらからすれば
最大限驚いているつもりなのだが。
自分が変って自覚している、変なものって言うのは少し面白いが…
「えーと、自己紹介します。
人呼んで神様です。」
……
………
…………
「え!!黙らないでほら、神様です。」
……
………
「嫌、そんな黙ったまんま、こっちを見つめられても、何かこっちが恥ずかしくなるじゃん。」
「あ!ごめん、驚きを最大限表現してみたんだけど」
「分かりにくいなぁ、後、何か馴れ馴れしいな、
あと、
こっちとらあなたより何十年も長生きしてるんですけど、敬語使いなさい敬語」
何かめんどくさい神様だなぁ
「あ!めんどくさいみたいな顔しない
本当いつの時代も若者は年長者に対して敬意が足りないのよ。
まぁいいわ
そんなことより
最近あなたに変なことがあったんじゃ無い」
「そうですね。人の家に勝手に入ってきて自分は神様とか言い出す、そんな不法侵入と虚言を吐く変な奴に敬語を使えとか意味のわからないことなら」
「あーそうそう私は確かに虚言に不法侵入してる自称神様っておい!!」
あ!ノリツッコミ
……
………
「おほん、時が戻ったんじゃない?」
無かったことにする位なら最初からするなよと思ったが言葉には出さず目で訴えてみた。
「時が戻ったんじゃない、それ私がしたことだから。少しは神様だって信じられるじゃない」
なら時を戻してさっきのノリツッコミ無かったことにしろよ。
「そして貴方の前に現れた。
これがどう言うことを意味すると思う?」
「さぁ?何か悪いことした?それとも俺死んだ?」
「違う、なんて、マイナス思考なの、貴方の願いを叶えに現れたのよ。」
……
………
「え!なんで?意味わかんない。神様?が何で俺にそんなことするんだよ?」
「神様って認めても、タメ語はやめていかないスタイルで行くのね。まぁいいわ
神様なんてね気まぐれなものなのよ
適当に決めて適当に願いを叶えるものなの
意味なんかないの」
「意外に強引だな、てか他にすることあんじゃないの死にそうな人とか不幸な人間方にいけよ。」
「はぁーー
そう言うこと言うのよ人間って。
幸せな気持ちとか奇跡が起きると神様のこと信じるけど
不幸になると神はいないとか平気で言うのよ。
人間、何億人いると思ってんのよ一人でみんな見てられるわけないじゃない。
大体、増えすぎなのよ。最初なんか何万ぐらいなものだったんだから
そのころだって、あたふたしながら見てたのにメチャメチャ増えて
そしたら人間同士で戦争だの殺人だの
手に負えないわよ。
私なんか。ちょっっっと知能与えただけなのに
不幸が起きると全部私が悪いみたいに責任押し付けてくるんだから
私だって好きにするわよ。」
メッチャ、グチるじゃん神様
「脱線したわ。
あなたの願いを言いなさい
基本的には、なんでも叶えてあげるわ」
願い……
………
一つ叶えて欲しいものが確かにあるけれど。
これは人に……神に願うような願いではない
「そうだな……じゃあさっきニュースで亡くなってた女の子を死なないようにしてくれ。」
「なぜ?理由は?」
少し声のトーンが下がり真面目モードになりました、とでも言いたげな空気を醸し出している。
「理由か…特にはないけど、そうだな、いたたまれない気持ちになる、夢見が悪い、後味が悪い、そんな感じでどうかな?」
「それだけ?たったそれだけ?そう、……そうなのね。特に理由はない、夢見が悪い…一人の人生救うのに大した理由なし、まぁそんなものよね。
……
………
悪いけど人を蘇らせることは出来ないわ、それは道理に反する。傷や病気を治すのはアリだけど死んだ人間を蘇らせることは不可能よ。世界がおかしくなってしまうわ。」
んーーなら最初から言えよ、
理由聞く必要もないだろうに。
「嫌、出来るだろ神様は全知全能だろ」
「だからそれは無理だと」
「いやいやいや出来るだろ。それに俺の願いは蘇らせて欲しいじゃない」
「あんた何を言って」
「俺は、死なないようにしてくれって頼んだんだよ蘇らせてじゃない
傷や病気を治すのはいいんだろ。
それは死ぬほどの傷でも病気でも死んでなければセーフなんだろ」
「まぁ道理ではそうね。」
「じゃあ出来るじゃねぇか神様なのに頭が悪いな。
時も巻き戻せるんだろ、なら死ぬ前の日まで遡って事故に巻き込まれないようにしてくれ。
これなら死ぬことが無くなる、蘇りじゃない」
……
………
「…………そうね。
確かにそう願えば死んだ人間なんていないことになる。
そうやって助かるのね、こんな屁理屈みたいな願いで、理由も夢見が悪いからって適当に選ばれた。」
自分でも驚くくらいに捻くれた願いだと思うし
よく死なないようになんて言えたな。
気持ち悪く思うかもしれないけれど何故だか、そう言うことが正解だと分かっていたようだった。
それともう一つ何故だか
わかることがある。
多分この謎の神様は、
きっと神様じゃない。
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