天敵の友人

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天敵の友人

「ここに大量にいると言うのは本当なの?」 そう暗闇に声が響く。 「ああ、確かだ」 そう言う会話をしながら大きな2体の何者かはどんどん奥へ進む。 すると急に暗闇から声が聞こえてきた。 「またかかったようだな」 暗闇に無数の小さな眼が光る。 「引き返すなら、今のうちだ」 緊迫した空気がただよう。 すると、大きな何者かは威勢よくこう言い返した。 「引き返す?そんなこと、するわけないだろ。俺らはお前らを狩りに来たんだからな」 そう言うと2体の大きな何者かは牙をむき出しにし飛んで襲いかかった。 「愚か者め」 大きな何者かが襲いかかり着地する。 その時!大きな何者かは足を滑らせ盛大にこけた。 「今だ!袋叩きにしろ!」 その声と同時に無数の小さな体をした者が襲いかる。 「うあぁぁああ!!」 そのまま大きな何者かは糸でぐるぐる巻きにされ捕らえられてしまった。 そのまま牢屋に入れられてしまった。 小さな者の隊長が牢屋の鍵を閉めると大きな者に今後の説明をする。 「お前らは宣告無しに攻撃を仕掛けてきたそれなりの罪の償いをしてもらう」 「それは違う!俺たちは軍隊じゃない!」 大きい者はそう弁解する。 「軍隊であろうと無かろうと同じことだ」 そう言うと隊長は暗闇へ他の兵を従えながら立ち去った。 「おいタマ、そんなに怯えるんじゃねぇ」 大きい者は仲間にそう言うと近くに寄り添いこうつづける 「大丈夫だ俺たちはこれでもハンターの端くれ必ず生きて出られる」 それから数時間出された食事は少しの木の実だけだった。 「ほらタマ、俺の分もやるよ」 そう言うと大きい者は仲間に出された食事を譲る。 「そんなの悪いよ。ヤスは僕より強いんだしちゃんと食べてよ。」 タマはそう言うと貰った木の実を返そうとしたが、ヤスはそっとタマの手に、手を置くとこう言った。 「今回の事...俺が狩りに行こうと言い出してこんなことになったんだ。これはそのお詫びなんだ。だから受け取ってくれ。」 するとタマはヤスの手の上に手を置くとこう言った。 「いや、僕もいつもヤスが、僕を誘ってくれるから、クエストをこなせているんだ。だから僕からのお詫びで、プラスマイナス0だからこの木の実はヤスが食べてよ」 すると近くにいた看守がすすり泣きながら二人に話しかけてきた。 「感動した!」 そう言うと腰の袋から大きいチーズを出すと二人に渡した。 「俺のおやつだが、君たちにやる。他の看守には内緒だ」 そう言うと看守はその場を去ろうとした。 「ありがとう看守さん。この礼はいつか返すよ。だから名前を教えて欲しいです」 タマが看守にそう言う。すると看守は二人の方を振り返りこう言う。 「ああ、俺の名前はラケットだ。礼を返すなら俺と友達になってくれ。猫と友達になりたいと思っていたんだ」 タマとヤスは驚いた顔でお互いに見つめ合うと少し考えラケットにヤスが言う。 「俺たちはハンターなんだぞ?言ったらお前らの天敵なんだぞ?そんなやつと友達になりたいのか?」 するとラケットは目を輝かせこう言う。 「天敵でも人間でも皆と仲良くなりたいんだ」 それに対してタマは微笑みこう言う。 「僕も友達になりたいな。いいだろヤス」 ヤスは少し微笑み頷いた。 するとラケットは喜び二人に言う 「やったー!そしたら友達が牢屋の中にいるのは、すごく嫌だし君たちの脱獄を手伝ってあげるよ。このままだと見せしめに、首を落とされるかも知れないし。」 「おーい!ラケット、仕事サボってなにやってんだー!」 遠くから別の看守の大きな声が聞こえた。 「はーい!すみません!今行きます」 そうラケットは大声で返事をすると二人に小声でこう言う 「僕も今夜、脱獄の計画を考えてみて、で思い付いたら今度知らせるよ」 「早くしろー!」 そう急かす声が聞こえる。 「はーい!いますぐ!」 ラケットは大声で返事をする。 「じゃあまた今度」 そう小声でラケットは別れの挨拶を言う。 「ありがとう!ラケットさん」 タマがラケットにそう言うと 「じゃあ!」 と言いラケットは暗闇の中に駆けていった。
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