バイトについて

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バイトについて

あおじが唯一したことがあるバイトは“学童保育”。 高校、大学と長期休みには地元の小学校(出身校)に児童たちのお世話に行っていた。 まず、学童保育とは。今はだいぶ市民権を得たイメージだが一応。日中保護者がお家にいない小学生児童に対して、授業の終了後に遊びや勉強(宿題)の場を与えること。 夏休み等の長期休暇も児童を預かる。 預かって世話をする人のことを“指導員”と呼ぶ。 ↑のバイトなので、やることは児童たちと遊ぶことがメイン。 あとは掃除、洗濯、洗い物、おやつの準備、掲示物の作成、イベントの準備、児童たちが宿題をしているのを監視等々……そんなに大変じゃない。 勤務時間は朝から夕方までとか、午前だけとか、午後だけとか、シフト制。1日の時はお昼ご飯を持って行ってたなぁ。 あおじはあんまり子どもは得意ではない方。コミュ障だし。 それなのに何故そんなバイトを?? と思われるだろうが……、 ぶっちゃけ給料が良かったから!! 子どもと遊んでこれだけ貰えればラッキー! おやつとお昼寝つきだしNE★という腐った感覚。 あおじが子どもを苦手でも、子どもたちは“いつも(長期休み以外の時)は指導員の人はおばあさんばかりだから、若いお姉さんは珍しい!”って感じで超懐いてくれる。懐いてくれたら可愛いのでこちらも優しく接することが出来る。ペロペロ このバイトをするにあたって持っていたら非常に助かるスキルがある。 それはコミュ力でも包容力でもなければ、子どもたちに勉強等を教えられる学力や指導力でもない。 そうそれは、“そこそこの画力”!! それさえ身につけていれば子ども達のヒーローになれる! あおじはそこそこなれた! 学童は低学年~中学年が一般的な為、その年頃の、特に女の子は集まって絵を描いていることが多い。あと、わりと最近の子どもは漫画オタやアニオタが多い傾向にあるので男の子でも絵に関心があったりする。 あおじも「お姉ちゃん、一緒に絵を描こう」と誘われて描いてみたら、なんか大ウケした。 あおじの友達は絵が上手い人ばかりなので、自分の絵が上手いと評価されたことがほとんどなかったので大層驚いたのを覚えている。まぁ小学生から見たら上手く見えたのだろう。だからの画力でOKなのである。 そこそこの画力の持ち主ということが露呈すると起こること。それは、幼女たちのリクエスト合戦。 断トツだったリクエストは 「女の子描いて」 という超アバウトなもの。 いや、しかしこれがあおじにはめちゃムズなのだ。 あおじがよく描く女の子は、おっぱいボインボインの女の子。しかし童女たちの前でそれを描くのは教育上ヤバイと思う。 それにやつらはイラストを家に持ち帰りやがるから保護者のチェックが恐ろしいぜ。 それと少女たちは“可愛い髪型で可愛い服を着た可愛い現代の女の子”がご所望であるが故、数ページ前を読んで頂ければ分かる。あおじには致命的にファッションセンスがないので描けない。描けないのである。 そーいう時は女子たちが着ている服を参考にさせてもらった。それでも描けないけどな。 小学生くらいの女の子って、女の子の絵が好きね。“男の子描いて!”はいなかった様に思える。 あおじが絶対に描けないからと断ったのは、“動物”と“似顔絵?” 動物は本当に全然全くこれっぽっちも描けない。あおじは動物全般が苦手なので本当に分からん。動物を描くことに関しては園児にすら劣る自信がある。 こればかりは女児たちがドン引きする位本気で断ったわ。 あと、似顔絵というか、うーん、ハリポタにハマってたロリの双子がいるのね。その娘らがハリポタの主要人物を描いてと言うわけ。 当方、ハリポタは小説も映画も賢者のストーンまで。というか、これは何をどういう風にイラスト化すればいいのかそもそも疑問だった。あおじが小説を読んで受けたキャラクターイメージでいいのか、実写映画の俳優さんたちを描けばいいのか。 まぁ小説あんまり読んだことないのでキャラクターイメージなんてよく分からないし、実写映画ならネットに画像とかも転がってるし幼女先輩たちも映画派でしょと思っていたけど──あおじは似顔絵、模写、外人は描けんのじゃ! ということで、実写映画をかなり自分流にリメイクして描かせてもらいOKももらった。スネイプ先生が難しかった記憶がある。なんかスゲー魔女っぽい先生はしれっと聞いてないふりをして描かなかった。でもそんなあおじを責めなかったあの子たちは本当にいい子。 その点、男児たちは何をどう描いても許された気がした。すげぇ気楽。 当時イナイレが流行っており、あおじは綱海くん推しだったのでそれを描いたら「すっげ!! すげー!」みたいな反応だったし、NARUTO のナルトくんを描いても「似てる!」と似てないのに言ってくれるいいショタたちだったなぁ。てゆーか、綱海くんもナルトくんも描いたの人生でその時が最初で最後だわ。 学童保育の指導員をしている知り合いの話では、今小学生の間では鬼滅が流行っているらしい。が、指導員の方はおばちゃんばかりなので話についていけないらしい。 「あおじちゃん、き、きめ、きめつの、やいば? って分かる??」 と聞かれたので、 「何か流行ってるらしいですね。私は全然分からなくて」 と答えた。うん。漫画もアニメも見てないけど、敵のボスの無惨様が美しいことだけは知ってる。それ以外の情報は本当に分からないのでごめんな。 基本はお気楽なバイトだけど、子どもたちは思いもよらないことをするので要注意。 ケンカしたり、危ないことをしたり。一応叱ったりはするけど、こちらも叱り慣れていないからどういう言い方をすればいいのか謎だった。こういう時に大学の教職の授業が役に立ったりした。その逆に、学童保育での経験が教職の授業に役立つこともあったが。 あ、あと画力の他にあった方がいいのが腕力かな。 意外だったのが「おんぶして!」「抱っこして!」という子どもがわりと多かったこと。小学生がそんなこと言うのかと思った。小学生でもそこそこプライドあるんじゃないのか?? あおじは独活の大木で腕力ないので直ぐにヒーヒー言って、筋肉痛コースだったがな。 それと、これは懺悔なのだが、あおじは人の名前と顔を覚えるのが苦手だったので、子どもたちのことを「お嬢さん」「坊っちゃん」「お姉さん」「お兄さん」と呼んでなんか上手く誤魔化してたテヘペロ。それで伝わっていたし、本人たちも何も言わなかったのでいいよね! なんかほんとごめんだけども! 今、学童保育自体が見直されてきて、指導員さんも資格? みたいなものが必要な感じらしい。講義を受けに行くとか。 教員免許を持っている人が居た方がいいらしく、あおじも指導員に勧誘されたことがある。それも役職付きみたいな感じで、免許があれば給料アップとか言われたが……少子高齢化の上、過疎の田舎なのでどうなんだろうなぁと思い断った。しかも給料そんなに高くない……。 バイトじゃなくて指導員そのものになったら責任重いしね。他人の子どもは怖くて預かれないよ。モンペみたいな人もちらちらいたし。 コロナ禍においても町内の学童保育は市の要請を受けてやっていたみたい。それだけ学童保育は需要あるみたいなのでもっと制度やら何やら整えてあげたらいいとあおじは思うのね。 おわり!
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