プロローグ

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ブラスは…どうだっただろう。 もちろん今日は誰も音を出していなかったし、上級生にとってはたくさんの一年生に上手に対応して、連絡漏れのないようにしなきゃいけない、大変な事務作業の日、だったかもしれない。 練習が始まれば、もっと楽しい感じなのかもしれない。 そんなことを思いながら歩いていると、サッカー部の掛け声が私の耳に心地よく通り過ぎる。 …やっぱり、頑張ってるスポーツ選手って素敵だな。 応援したいって、心から思う。 うん。落ち込んでても仕方ない。 まずは明日、精いっぱい頑張ろう。 私は、沈んだ気持ちを少しだけ浮上させて、正門を後にした。 殿前高校は、JRの最寄り駅から徒歩5分くらい。そして電車に乗ってしまえば、私の住む街までは20分弱。そして駅から自宅までは、自転車で5分。歩いたって10分くらい。家を出てから学校まで30分あれば着くというのは、比較的近い方らしい。 この学校には、スポーツ推薦で入学する生徒が、二クラス分80人いる。 それに対して、成績優秀者を選抜して大学進学実績を上げようという特進クラスが、一クラス分40人。 残りの5クラスは、一般クラスだ。 私は、特進と一般を併願して、何とか特進クラスでの合格を勝ち取った。 でも、定期テストの成績が累積されて、学年末の順位で特進クラス下位5人と、一般クラス上位5人は入れ替わる可能性があるから、気が抜けない。
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