プロローグ 自警団と雛

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プロローグ 自警団と雛

圭「雛、出来るだけ使える物は拾っとけ持てる範囲で良いから」 雛「分かった、お兄ちゃん」 鉄パイプや角材なんでも良い鈍器が出来て奴らと出会ったらまず雛を安全な場所に... 俺たちの武器は拳と金属バット 奴等は引っ掻きや噛まれたら感染するらしい 街という街には検問所が建てられロックダウンをしているらしいだが俺らのいる地域は田舎で検問所はあるが警官隊は数人しかいない 自警団を頼りにするしかなかった。 だから自警団に入って感染者が出る前にありったけの物資を掻き集める部隊所謂、スカベンジャーになった。 俺の名前は田中圭、歳は大体18歳 高校を卒業する前にこんなことになった不運な高校生さ。 こっちは俺の妹の田中雛 小学校を卒業したばかりの新JC 俺ら二人で自警団のスカベンジングチームに参加しているんだ。 俺らが参加した時は*感染者処理隊と言う大層な者達はいなかった、スカベンジャーは自分達で対処するのが基本だった。 奴等に噛まれて第一段階感染者を海外では*「ランナー」と言われているらしく自警団もそう言呼んでいる。 圭「雛ー、この家の塀にマーク付けておいて」 雛「分かった」 圭「気をつけるんだぞ」 雛「分かってるよー、お兄ちゃんは?」 圭「二階を調べてくる。」 雛「お兄ちゃんこそ、気をつけてね。」 圭「分かってるって」 そう言って俺は金属バットを握って階段を慎重に上がっていく。 二階に上り切った俺は床に耳を澄まして感染者がいるか聞き耳を立てる。 圭(ん?なんだ?このキリキリする音?) 手前の部屋にはここの住人だろうか?白骨化した亡骸が、どうやら噛まれて自分で対処した様だ。手前の部屋で手紙を発見した。 「突然兄貴が奇声を上げて俺に近づいて来ていきなり噛みやがった。俺だけかと思ったら親父にもお袋にも手をあげた様だぜ。 余りにも兄貴が凶暴で手が付けられないから兄貴を元俺の部屋に押し込んで鍵を掛けてやった。ざまみろ。以下略。」 つまり奥の部屋はこの住人君の兄貴だった何かがいる訳ってことだな。 雛「お兄ちゃん、マーク付けたからそっちに合流するね。」 圭「おう、了解」 トランシーバーで応答して部屋の探索に力を入れる 雛「お兄ちゃん?なにしているの?あっちに部屋があるみたいだけど?探索しないの?」 圭「ちょっと待てまずここを洗いざらい調べてからだ。」 雛「ねぇ、なんか変な音しない?なんかキリキリ聞こえるよ?」 圭「雛、まず使える物を調べるって言ったろ?」 雛「お兄ちゃんごめん、だって気になっちゃうんだもん」 圭「あと、このメモ読んでおけ、ここの住人の物だ」(うーん、これ使えそうなだな) 雛「ねぇねぇ、一階でこれを見つけたの」 雛は一階でここの住人の武器を発見していた 所々剥製を飾ってあったので猟師なんだろうと検討はついてあった。 圭「これは*二連装縦型散弾銃と*VSRか?弾薬は?」 雛「あったよ、赤色の奴と緑色の奴」 圭「バックショットとスラグか」 雛「何が違うの?」 圭「赤いやつがバックショットこれが散弾な。緑の奴は散弾しない奴」 雛「凄いねーお兄ちゃんは物知りでー」 圭「高校生なら自警団の講習で習うよ。覚えて置いて損はないだろ。」 雛「うん」 俺らは例の部屋以外を洗いざらい隈なく探した すると物置小屋から怯え切った生存者を発見した。どうやらここの住人の少女だった。 圭「名前は?」 美優「みゆ」 圭「みゆちゃんを見つけて良かった。ここには美優ちゃんだけかい?」 美優「パパが帰ってくるはずなの、はずなの!」 圭「背丈やそのパパさんの服装とか分かる?」 美優「うん」 下着で蹲っていた美優ちゃんを内の中までおんぶして移動させてから衣服に着替えさせた。 美優「パパの服は、マスクを付けて、緑色のポロシャツとジーパンだよ、仕事に出掛けるときの服なのー」 俺らは凍りついた。 ここに到着する前に何人かのランナーを倒した その中にその服装の男がいた。 雛「ここに来る前に倒れていた人がもしかすると美優ちゃんパパだったのかな?」 美優「え」 圭「そうかもな、後で確認しに行くか」 咄嗟に嘘を吐いた雛には感謝しないといけないな。 ◆ランナー 第一段階感染者 見た目は変わらないが健常者を見つけ次第走りながら襲い掛かってくる。 ◆二連装縦型散弾銃 一般的には上下ニ連装散弾銃と言われ、銃身を上下二本付けたタイプの散弾銃です。 日本でも狩猟やクレー射撃に使われるタイプでもあります。 ◆VSR-10 VSR-10はM700のレプリカであるため圭君は見間違えたと思われる レミントン・アームズ社が開発したM700は1962年に産声を上げボルトアクションの代名詞であり狩猟用、競技用として幅広く活躍している ■田中圭(18歳/男性) 近所の高校に通う高校3年生 独身、彼女持ちの経験有り、付き合い歴3年 頭脳普通、体力には自信あり現役の陸上部 コミュニティチーム「ダイバーズ」の主力探索班の元副班長 ■田中雛(12歳/女性) 近所の小学校を卒業したばかりピチピチの中学生
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