神宮家の地下室

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床下から地下室に続く薄暗い廊下を進む龍と雛と美紅 途中胞子を発見しマスクを着用する そこに カリカリ...ベチャ...カリカリ... 美紅「...何の音?」 龍「これがクリッカーの発する声だ」 雛が無言でナイフを抜いた 龍「雛...気をつけろ」 雛「うん」 龍は他の感染者を処理していく 龍「...一体どこから...」 雛「美紅ちゃん、妹ちゃんにお別れの挨拶は良いの?」 美紅「うん...」 美紅は龍の後ろに隠れた 足がガクガクと震えている 雛「ごめん...」 雛は美優だった者を後ろから後頭部の首を力任せに振り落とした クリッカー「カァァァァ」(声が薄れているような擦れている音) クリッカーが一声鳴き息を引き取った 龍「よくやったぞ」 美紅「マスクは?」 雛「まだ終わっていないから取っちゃダメ...」 美紅「何をしたらとって良いの?」 龍「地下室を全て除菌したらとって良いから」 美紅「美優...ごめんね...ごめんね...一人させちゃって...ごめんね...寂しかったよね?...ごめんね...ごめんなさい...」 雛「ちゃんと弔ってあげようね...」 美紅「うん...お姉ちゃん...」 神宮邸にあったのはショットシェルが合わせて35発、ライフル弾がバラで31発、食糧品は約二週間分くらいだった 龍「これだけあればセーフハウスになるな」 雛「龍兄?本当にここをセーフハウスにするの?」 龍「ああ...不服か?」 雛「不服じゃないけど...美紅ちゃんの事も視野に入れてよ〜」 龍「雛?美紅の事を養えるのか?」 雛「え?」 龍「俺たちは救援に来た訳じゃない、回収しに来たんだぞ?」 雛「じゃあ!美紅ちゃんは!」 龍「美紅が真価を発揮するのは未来の話だ...俺は即戦力が欲しんだよ、種が欲しい訳じゃない」 雛「龍兄!酷すぎるよ!」 龍「雛...今の俺らにあの子の望みは叶えられない。現実を見ろ...お前だけだぞ...夢物語を唱えているのは...俺は幸兄じゃないんだ...」 雛「幸兄?」
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