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寧々の自宅は一人暮らしのアパートで1LDK2階建て。割と新しいタイプのアパートで2部屋ずつある。寧々は202に住んでいる。
本屋を出て、電車通勤のため電車に乗り自宅へ。駅からは徒歩10分程度で近めである。
家に帰り、そうそうお風呂に入ると寝巻きでベッドにダイブする。
「あ!これ面白い!キュンキュンするー!幼なじみがずっと好きでいてくれるの分かってるのに主人公は違う恋愛を求めるんだよね……」
お風呂上りにベッドの上で足をばたつかせながら
手にある恋愛小説を読む寧々。
主人公を探しに来た幼なじみと電車でばったりあってお互い好きなことを確認しちゃうんだよね
ありきたりな内容だけど
深みがあって好きだなー
そんなことを思っていると携帯のバイブがなる
ディスプレイに
『早乙女 直哉』と映る
寧々はディスプレイに映る名前を確認すると驚いて再確認する。え、直哉?!どうしたんだろ。久しぶり過ぎて急に電話きても出るの戸惑うよね。
直哉とは幼馴染で
現在出版社に勤めており、全くと言っていいほど数年めったに連絡もとってなかった。
だが、ずっとなり続ける電話。とりあえず出ないとダメな雰囲気であり、出ることにする。
「もしもし、沢城ですが……。直哉?」
戸惑いつつもでた。
『あっ!出てくれた。
ほんとに久しぶりだね。寧々ちゃん。全然連絡できてなくてごめんね。
あ~よかったよ。でてくれなかったらどうしようって・・・。』
困ってる様子が伝わる言葉使い。
「連絡のことは気にしないで。わたしも久しぶりだから出るの戸惑っちゃって、久しぶりの人と話すのって少し勇気いるよね?ごめんね。
そるはそうと、その様子じゃ、私に何か用事があったんだよね?」
『うん、寧々ちゃんにさ。
ちょっと、いや結構大事なお願いがあってね。本当なら。寧々ちゃんとしっかり話ができる時に連絡したかったんだけど……』
「うんうん。それで?私でも役に立てるならやるよ。」
『寧々ちゃん…本当にありがとう。助かるよ。
それでね寧々ちゃんの住んでる家って、AI’Sマンションちかいよね?』
「あ、目の前だよ!」
『あの家にね、僕の担当作家がいるんだけど、原稿締切がほんとにキツクって僕も今手がはなせなくって、他のやつも死んでて・・・もう寧々ちゃんしかいないっていうか。そういえば近くに住んでるって聞いたことあったなーって思い出してね。内密にできて、頼れるひとっていうのが寧々ちゃんしか・・・どうか、お願いできないかな?』
その言葉を聞き切羽詰まってる様子であった。
「それなら、私がその作家さんから原稿をうけとって、その原稿を直哉の会社に届ければいいのかな?お役に立てる?」
『本当にごめん。うん!すっごく助かる。
この埋め合わせは絶対するし、僕の会社まで届けるのも大変だけど、そこもお願いしたい。こんなこと、たのむことは絶対なかったんだけどさ。』
連絡を取ってなかった期間は長いが関係性は割とすぐに戻る寧々と直哉。
「全然いいの!直哉が困るの見てられないし、電話でも大変そうだなってわかるから。私でよければ行くよ!それで部屋は何号?・・・うん、うん。わかった。じゃ、急いでもらってくるね、また連絡する!」
携帯の画面を切った。
直哉大丈夫かな…
直哉は終始切羽詰まるような会話をしていた。これは緊急だと思った寧々は助けになるならと了承した。
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