SadoのSM小説 調教師集団 その二 気丈な女が堕ちる

8/87
前へ
/87ページ
次へ
 夕子のママに松下奈緒美は自分の事情を明かすわけには行かない。だが夕子のママは何処か松下奈緒美を支えている。  保木間としてはこれをグループ全体で悪い要因と見るべきかもしれない。  だがアース的な捌け口としてのダミーは必要である。  その昔。帝國陸軍は明日の命も知れない兵隊が侵略戦争の本質を感じ取っていても慰安婦を抱かせる事で事態を逸らして来た。  電気製品のアースの存在としてこの店を残すべきかに迷っていた。  真紀子は保木間のやり方に口出しするつもりは無い。だが松下奈緒美を突き落とした二次的張本人である。  いま保木間と強力関係にあると見られては拙い。  「貴方はこの街のコンサルタントでしょう。こういう店を放置して良い訳なの」  「僕は本社から依頼された一介の監視役だよ。何の権限も無い」  「無くても上に進言するのが仕事でしょう」  態と普段と違ったきつい口調で言う。  「判りました」  芝居と解っているからおとなしく了解する。  松下奈緒美に限らず保木間を調教師集団の首謀者と知らない。
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加