人形2

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人形2

 怒涛の一日やったけど、なんとか乗り越えた。  なんっっとか乗り越えた。  ただめっちゃ疲れた。  もうほんっま疲れた。 「今日は早めに寝よう……」  疲労困憊の身体を引きずりながら、晩御飯が用意された席に着く。 「いただきまー……」  ゾワっ  背筋にとんでもない寒気が走った。  もうそれはそれはとんでもなさすぎて、主にうなじ辺りが気持ち悪かった。  なんや……  なんや……  めっさ嫌な予感しかせぇへん。  しんどすぎて体調崩したか? 「あかん、はよ寝よう」  せや、それが一番や。  寝ればなんでも治るやろ。  急いでご飯かっこんで、お風呂に入ることにした。  お風呂はいい。疲れが全部とぶ。  ちゃっちゃっと洗って、ゆっくりつかって癒そう。  お気に入りの香りのシャンプーを手に取ってわしゃわしゃ頭で泡立て――――  ぞわぁぁあ  恐ろしいほど鳥肌が立った。  これはなんや。  一体なんなんや。  なんでかわからへんけどめっちゃ顔を撫でられた気がする。  泡が伝っただけのはずやのに。  なんでや。意味わからん。  ゆっくりつかんのやめよう。  さっさとあがって寝よう。  きっと風邪引いたんや、きっとそうや。  急いで風呂を上がって寝る支度を整える。  早よ寝て早よ起きたらきっと全部元通りや。  寝よう。そんで明日に備えよう。  朝はよ起きたら宿題もきっと間に合うから。  そう思い僕は目を閉じた。
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