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思わず私は乙女のように頬にそっと手を添えてしまった。
ああ、これが恋が叶う幸せというものか。
するとどうだ、惹音きゅんが可愛らしい声を上げはじめたではないか。
「ちゃうわぁああ!!」
腹の底からあらん限りの声を上げた惹音きゅんは私にずい、と迫る。
可愛い顔がよく見える距離だ。
不機嫌極まりない顔も可愛いぞ☆
「あのですね、黄色いチューリップには花言葉がありまして。その花言葉が”望みのない恋”なんです。だから僕は望みのない恋やから諦めろって言いたかったんですぅ、調べてって言ったやないですかぁ!」
「わぁい、惹音きゅんがいっぱい僕に喋ってくれるぅ」
「あああああああ! 誰かコイツどうにかしてくれ僕にはどうにもできん無理やぁぁああ!」
うんうん、頭抱えて絶望して悶絶する君も可愛いぞ☆
「とりあえず惹音きゅん、これを受け取ってくれ」
私は当初の目的である袋を差し出す。
私の身体の半分ぐらいの大きさだ。
「うっわぁ、嫌な予感しかせぇへん……でもとりあえず聞きます。なんですか、それ?」
「惹音きゅんのウェディングドレスだ☆」
私は渾身の笑顔で告げた。
うん、硬直した惹音きゅんも可愛いぞ☆
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