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早朝ランニング
今日は愛しの惹音きゅんと二人きりになれるチャンス。
賀泰善も惹音きゅんを狙っているようだから早く仲を深めて私たちの間に入れないようにしなければ。
確か惹音きゅんはジムの教えでこの公園でランニングをしているはずだ。
それにしても人が多いな。
どうやって探すか。
……ん? この甘くて学生らしい青みの混じった匂いは?
間違いない惹音きゅんの匂いだ。
こっちの方角へ行くと匂いが濃くなるぞ。
ああっとしまった、私の汗がナイアガラになってしまっている。
いかんいかん、興奮しすぎだ。
さぁ気持ちを落ち着けて。
出会えたらまずは好印象を勝ち取るために爽やかに挨拶だ。
おお、きっとあの姿は間違いないぞ。
茶色のスポーツウェアがよく似合った細身の男の子。
きっとアレに間違いない。
偶然を装って回り道をして、反対から走っていこう。
正に運命の出会いというシチューエンションを作るのだ。
さぁ、ここまで走れば問題なく”向こうから走ってきた私”になるはずだ。
汗が止まらないのはご愛敬。筋肉があるから仕方ない。
さぁいよいよご対面。
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