コンビニ2

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コンビニ2

 ジムの代金さっさと払うためにバイトを始めた。  通勤に便利で短時間で働けて、人当たりがよさそうな店長さんがおるから面接行ってみた。  そしたらめっちゃ優しい人やし初心者バイトとしては働きやすいお店やし快適やしで暫くはここで働こうと(おも)てた……けども。  ジムに近い場所やってのを忘れてた。  いやでもな、ちょっと思っててん。  筋肉マンはコンビニには来んやろ――て。  はい、勘違いでした。  今はお客様やとしてもため息我慢できませんでした。  レジを挟んでても何でこの人こんなに圧が凄いんやろ。  ああバイトリーダーありがとうございます。  間に立ってくれてめちゃくちゃ助かります。  心の底から感謝します。アナタは神様です。  ただ哀れな目を向けんでください。  あれかなぁ、ここ辞めなあかんかなぁ。  いや、辞めへんと僕の何かが危ない気がする、うん。  とりあえずあのラブマッスルってなんやろ。  にしても筋肉ダルマって柔らかいなー。  背中をこれでもかと逸らして全身でハート作ってる人初めて見たわ。  通報するための電話探したけどわからんかった。  ゆーて今日3日目くらいやしまだ勝手がわかってへんのが傷やな。  ちくしょう。  とりあえず仕事しよ、仕事…… 「ハァハァハァハァ」 「いやめっちゃ気色悪いから」  ふと顔上げたら目の前に鼻息荒い顔があって流石に怖かった。  咄嗟に傍にあった買い物カゴをめり込ませてしもた。  先輩すんません。  後でちゃんと綺麗に消毒します、カゴ。
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