カフェ<後編>

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カフェ<後編>

 スプーンを咥えて訝し気な目を投げてくる惹音(にゃおん)くんの可愛いこと可愛いこと  私はそのスプーンになりたい  そして君と一つに…… 「気色悪い」  ありがとう、私も大好きだ。  いやいやそれよりも、私はとんでもないことに気づいたぞ。  好田剥蔵(すきだ むきぞう)の言葉を私は頭の中で反芻する。  男の()  そうか、そうだったのか。  だから私は男だとわかっていながら惹かれたのだ。  そう、彼が男の中の男の()だったからなのだ! 「ちょっと何言ってるかわかりません」  む、どうやら全て声に出ていたらしい。  なんてことだ。愛とは心の声も駄々洩れになってしまうのか。  そういえば数多の視線が刺さると思っていたのだ。  愛の深い筋肉とはなんと罪深いものだろうか。 「はやくお勘定お勘定! 早く店員さああああん!」  むむ?  何やらにゃおんきゅんが財布を開いて地団太しているぞ。  にしてもいつの間に目の前にいるのだ?  ああそうか、強い愛は強い磁力で惹かれ合うというものだ。  つまり愛が強いが故に気づけば近くになってしまうのだな。
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