カフェ<後編>2

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 ……いやいやいやいや  アンタ、俺が真のヒーローだ、とでもいうような腹立つくらいサマになってる笑顔で「俺は本気だったようだ」やないねん。  アンタも同じやからな。  僕、嫌がってる顔をしてるんわかりません?  ここはな、僕をこの場から丁重に逃がしてあげるんが本当のヒーローなんよ  決して、今、僕の手をぎゅうっと握って、「俺が守るよ」な体勢で前に立つんちゃうねん  僕からしたら「逃がさないよ捕まえた☆」て言われてるんと同じやねん。  しかも僕は俺のだとかなんか取り合いしとるし。  知らんわ。お前ら二人とも知らんわ。 「僕は……」  もうキレた。  どうにでもなれ。  お前らがいなくなるんやったら何を犠牲にしてもええわ。 「僕は!」  ここが店の中やろうが関係ない。  僕は、叫んだ。 「僕は! 彼女います!」
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