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未だにあの言葉が抜けない。
私は信じない、信じないぞ。
今まで愛しの君を追いかけ、私は見続けていた。
学校帰りにサイダーを飲んで炭酸の強さにキュウっと眉間に皺を寄せる可愛い惹音(にゃおん)きゅん
何もないとこで1人つまずいて急いで周りを見渡しホッと胸を撫でおろす姿が可愛すぎる惹音(にゃおん)きゅん(その際に私はあまりの可愛さに電撃を受け電信柱にヒビを入れてしまったがこれは仕方がない)
少し音の外れた鼻歌を歌いながら一人の帰り道を楽しむちょっと笑顔の惹音(にゃおん)きゅん
電信柱、曲がり角の影、時には私の筋肉さえも隠してくれる木の中や茂みの中などなどなど……君を無暗に驚かせないよう工夫して隠れながら私は惹音(にゃおん)きゅんを見つけるたびにずっとずっとずっと見守ってきた。
その間、女性のなど一度も見なかったんだ。
「そう……なかった。ただの一度も」
惹音(にゃおん)きゅんに気づかれないよう彼の姿を見つめていた日々を思い返した私はハッと気づく。
「そうか……そうか! あれは恥ずかしがり屋の嘘だったのだ!」
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