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UFOキャッチャー2
嘘やろ。こんなことある?
目の前に妙に可愛らしい人形抱きかかえてんのは間違いなくあの不審者やった。
いやいや神様、マジか。
一週間会わんかったし油断してた。
まさかこんなちっこいゲームセンターにいるなんて思わんやんか。
「見て惹音きゅん! 私はさっき君を取ってしまえたのだ!」
そう言って見せてきたんは確かに僕と髪の色が同じで眼鏡をかけた学生の人形。
……え?
……は?
つまり僕のかわりにとったっていうことか?
僕の代わりに今にも首がちぎれそうなほどぎゅうぎゅうにしてるってことか?
何それめちゃくちゃきもいやんけ。
「チャッカマン持ってへん? 傑」
「燃やしたら犯罪だぞ」
「ちっ」
まぁ、流石に犯罪をしてしまうんはよくない。
ただ一刻も早くここから僕は離れたい。
「とりあえず帰ろ。コイツや、ゆーてた不審人物」
「私の話をしててくれたんだね!? 愛の告白かな?」
「ほら、頭おかしいことしか言わんやろ?」
「私のことをわかってくれている……!? つまりこれは愛!」
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