SadoのSM小説 調教師集団 その四 堅実な現代女性が堕ちる

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 北嶋真紀子は北嶋コンサルの代表取締役という肩書きだが調教師集団の紅一点である。  女は松尾由美といった。  二十五歳。既に二歳の女児が居る。夫は離婚した。養育費どころか荷物になるので捨てたのである。  元夫は今も日払いで食うにやっとの収入で短期採用を繋ぎ繋ぎ生きている。  松尾由美も就職氷河期の世代である。大学の成績は良かったが思う様な就職に縁は無かった。  中小企業に勤めたがオーナー経営者であった。理想論を吐き過ぎて居場所が無くなった。  その後は派遣を繰り返す身と成った。  それでも夫よりは収入があった。収入が不安定で経済的荷物になる夫を離婚して子育てに足りない分は生活保護を申請した。  だが生活福祉課から親戚中に生活を援助出来ないかの確認書類が行く。  回りの親類から松尾由美に抗議が殺到する。取り下げざるを得なかった。  「問題になるの怖いからこっちで支援すると回答しました。でもお金は出せません」  自分の身は守るが金は出したくない。いや出せないのである。こっちに影響が及ぶから何とか自分だけでやってという切実な反論である。
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