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「お座りになって」
真紀子は既に女の怖さを随所に滲ませている。
「貴方お子さん有るのね」
「はい」
「ここで働くには寮に入るのが原則よ。でも保育園とかはないわ。貴方は本宿には入れない。伊佐沼に成るわ。どっちも保育園は近くに無いの」
「えー。そうなのですか」
既に絶望感が充満して来る。
「貴方の様な女性はこの街に相応しくない。それだけははっきり言っておきます」
「どうしてでしょう」
「はっきり言ってこの街を運営している大元の資本はシカゴに本社を持つAV業界なの」
「本社はR国と伺っておりますが」
「その本社資本の大元はAVなのよ」
「はい」
「だからあなたの理想とするものは此処では排除されます」
「では、私は不採用ですか」
「そう。短慮に言ってしまえばそうなってしまいます。でも貴方もうどうにも成らないでしょう」
「はい」
「直ぐに断るのなら此処に通しはしません。方法は二つ。短気にならないで最後まで聞いて」
「はい」
既に不安が足元から込み上げて来る。
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