情報体

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「はい、わかりました。巧さん、何でも聞いてくださいね」  頭を(かし)げながら、マキナさんはニコリと笑ってみせた。  そういえば、ドルフィンノーズとは普通に会話ができていた……ヒューマノイドがいても、おかしくないってことか。 「私はアース・バイオリズムの変調の調査があるから、ここで席を外すわ」  所長はひとり、セミナールームを出て行った。残された俺とマキナさん。 「それじゃあ、その椅子に座ってください。最初はRESCUE NUMBERの成り立ちを説明するね。机にある立体ディスプレイを見てくれる?」  マキナさんは、机の上に足を組みながら座るとそう話し始めた。笑顔がとても可愛い、こんな綺麗な子が学校にいたら、みんな大変なことになるだろう…それこそパニックだ。 「私のことはマキナって、呼んでね。これからは私が先生よ」  人差し指を立てて、ルンルンしながら語るマキナ、頭のアホ毛がピコピコしてる……アニメみたいだ、これが全部設計されたものなんて信じられない。  RESCUE NUMBERよりマキナの成り立ちのほうを聞きたくなった。  ディスプレイには、立体地球がグルグル回る映像が表示され、至るところに赤い点滅が光っていた。 「あなたも知っていると思うけど、今世界中で大きな災害が起きています。自然災害、大規模事故、バイオハザード。それらはすべて……人間の営みが原因となって、触発された災害です。海洋破壊、オゾン層破壊、大気汚染、気象変動」  それは知っている……でも人はその事実から目を背けようとしている。マキナが躊躇なく言えるのは、彼女が人間ではないからかもしれない。 「これらの被害規模は年々増加していて、発生期間も長期化が進んでいます」 棒グラフが表示された。倍々で増加していく様子が見て取れる。 「すでに人間の手だけで、この事態に対処をするのは、限界値を超えているという現実がありました。そこで発足したのが、特殊災害種別対策機鋼隊(レスキューナンバー)です」
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