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水面をよく見ると、一人の女性が泳いでいた。クロールでも、平泳ぎでもない、海蛇がうねるような不思議な泳ぎ方だ。
――ヴー、ヴー、ヴー――
その瞬間、警報音が鳴り響いた。プールの水流がいきなり勢いを増し、水しぶきを上げながら、大きな渦を巻き始めた。
「あ、あぶない!」
渦はさらに勢いを増し、プール全体がすべてを飲み込むような渦潮に変化していった。
このままでは女性が溺れてしまう!
「大丈夫ですよ、見ていて」
マキナは動揺する様子もなく、観察していた。
その女性は波に逆らうことなく、波に合わせて、体をくねらせながら、難なくプールを横切っていった。
「すごい……」
思わず声が漏れた。あの勢いのある波の中を泳ぐなんて、どんな身体能力なんだ?
「彼女はあなたと同じシンクロナイザー、RESCUE No.02の機鋼操縦隊員よ」
「なんでこんな演習をこなさないといけないんだ? 機械体がやってくれるんじゃないの?」
「機械体は過去データに基づく予測を用いて、行動パターンを決定するんだけど、想定外のことが起きた時に瞬時の判断を下すのは難しいから、人の直感力に頼ることになるの。だから機鋼操縦隊員の身体能力がとても重要なんです」
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