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三
一晩明けたはずの頃合いになっても、太陽神様はお目覚めにならなかった。
わずかに期待をかけていた日奈神子は、そう都合よくは行かないことをかみしめ、とにかく何かしらの手を打たねばならぬと思った。
相変わらずスヤスヤと眠る太陽神様はやけに幸せそうで、日奈神子は少し腹が立ったが、少なくともご無事でいらっしゃることに感謝せねばなるまい。
再び、側近八名を集め、解決するための手立てを話し合った。
今のところ、光が失われたことによる大きな災いは起きていないものの、前例がないため、この状態が続くとどうなるかが誰にもわからない。
民の不安を煽らないためにも、急ぎ調査を始めようと全員一致で決まった。
「とりあえず考え得る対処法は、新しい光を探すことと、陰世の関与を突き止めることですね」
日奈神子が言った。
「宇宙へ行くか、陰世へ行くか――、ですな」
「どちらも一朝一夕には叶いませぬぞ」
「チームを二つに分けましょう。光る星を探し出し、その星を守る神――恐らくは太陽神様のような御方があらせられるはずですので、その御方に光を分けていただけぬか交渉するチーム。そして、陰世への侵入方法を探し、陰世民との接触を試みるチーム。それぞれが調査を進めて、随時報告してください」
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