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サイレン
ふと自転車を止め見下ろした街並みは黄金色に輝いて見えた。
屋根の低い住宅地も、煙を吐き出す煙突の伸びる工場群も、地平線まで街を跨いでいく鉄塔も、霞んで連なる山々も全てが同じ色に染まっている。
その街に夕刻を告げる音の割れたサイレンが鳴り響く。
それに呼応するかのように吹いた風に草木の丘はざぁっ……と波打ち、その波間に伸びる道は眼下の街から外れて人の賑わいのない丘の上へと消えていく。
今日の夕飯は何だろうか?
「帰ろう」僕はペダルを踏むと家に向かってその丘を走り出した。
『サイレン』
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