ラルフ流星群の奇跡

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周りが少し暗くなってきた。 庭を見ると蛍が飛び交っている。この景色もすごく懐かしい。 肌にあたる風も都会では感じることのない心地よいものだ。 「そろそろ行くか。」 俺は立ち上がり裏の丘に向かった。 丘につくと昔と変わらず大きな木が1本立っている。 木の下まで行くと地面に腰掛けて空を見上げる。 そこには満天の星空が広がっている。手を伸ばせば掴めそうとはこのことを言うんだろうな。 どれ位経っただろうか・・・ふと人の気配がしたので隣を見ると嬉しそうに星空を見るあの子がいた。 あの頃と変わらない姿で・・・ 「遅くなってごめんね。」 俺が優しくそして申し訳ない気持ちがいっぱいになり謝るとこちらを見て微笑んだ。 (気にしなくていいよ?) そう聞こえた気がした。 その表情を見た瞬間涙が頬を伝った。 「やっと会えたね・・・・・・お姉ちゃん。」 なんとか出た言葉。俺はやっとこの子にお姉ちゃんと言えた。 その言葉が聞こえたのか驚いた顔をする少女。しかし次の瞬間満面の笑みを浮かべた。 「ありがとう。」 綺麗な声でそう呟いた。 俺には12歳離れた姉がいた。ずっと弟が欲しいと言っていた姉は俺がおふくろのお腹にいると知った時泣いて喜んだそうだ。 しかし俺が生まれる1週間前の8月8日突如この世を去った。 トラックの居眠り運転による事故に巻き込まれたのだ。 親父もおふくろも突然の出来事で抜け殻のようになったらしい。その1週間後俺が生まれた。 俺が生まれたことによりこのままではいけないと2人は悲しみの中立ち上がった。
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