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転校してきた宮田ってやつは、男から見てもすごくキレイな顔をしていて
柔らかいその物腰もあってか、たちまちクラスの人気者になった。
担任の坂井先生からも気に入られたようで、先生は何かあると決まって宮田を頼った。
成績優秀。
(今回の期末テストで学年1位だった)
運動神経ばつぐん。
(体育でバスケをしたとき宮田は一度もゴールを外さなかった)
おまけにかなりの男前…ときたもんだ。
そりゃあ、あっという間に人気者になるよな。
でも、なぜかわからないけれど。
俺はそんな宮田を胡散臭いと思っていた。
そんなある日。
たまたま俺と宮田は日直で、坂井先生にプリントの作成を頼まれて放課後に残っていた。
もくもくとホッチキスでプリントの束を止めていく宮田の横顔が夕焼けに染まって、まるで一枚の絵のようだった。
「なに?」
「え!?」
俺がぼうっと見ていることに気づいた宮田は苦笑いしながら振り向いた。
「さっきから見てたから。」
「いや…別に。」
まさか見惚れていましたとも言えるわけもなく、苦し紛れに俺が放った言葉は。
それはよりにもよって。
「お前って何者なんだ?」
そんなわけのわからない言葉だった。
「え?」
さすがの宮田も戸惑ったようで眉をしかめた。
いつもニコニコしている宮田のそんな表情は初めてで、俺はなぜか妙に嬉しくなった。
「森口くん、それってどういう意味?」
「そのまんまだよ、なんかお前って違和感がある。」
苦し紛れで言った言葉だったけれど、それは普段から俺の思っていたことで。
だから咄嗟に言ってしまったのかもしれない。
「……そっか。」
「……。」
そう一言つぶやいた宮田の顔は。
なんだか嬉しそうだった。
「森口君はみる力があるのかもね。」
「え?」
見る力ってなんだ?
そう俺が聞くより先に宮田はにっこり笑ってこう言った。
「俺は人間じゃない。」
「はぁ?」
人間じゃないって、おば…おばっおばけ!?!?!?
いや、それはない。
だって俺以外のやつだって宮田のことは見えてるんだし。
そうなるとこの学校の全員が霊感があるってことになる。
「おばけじゃないよ、ちゃんと生きてる。」
あれ?
俺今、口にだしてた?
「この星のこの国の言葉でいうと、宇宙人ってやつかな?」
「はぁーーー???」
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