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翼が駆け足でやって来て「悪い悪い!(みのり)が来てて、チビどもの相手をしてたから助かった〜」と言い、やって来た。 結羽菜が「実ちゃん、来てるの??」と言うと「昨日から旦那が本社に呼ばれたからってこっちに来てるよ。まぁ旦那が介護の講習の先生だしカミさんのお義母さんの後輩で、元ヤンキーなんだよなぁ…」と溜め息混じりに言うと、翼はメガネを掛けながら婚姻届の証人にサインと印鑑を押して、信治に渡した。 関谷が「やっぱ、孫って可愛いモンっスか?」と聞くと「んー可愛いっちゃ可愛いな?」と言い、翼はスマートフォンを取り出すと写真フォルダを見せた。 そこには可愛い女の子赤ちゃんが写っていて、一緒に寝そべりながらドヤ顔で男の子二人が写っていた。 法子が「わぁ〜翼おじちゃんの孫ちゃん、可愛いねぇ♡」と言い、優しく微笑むと「法子ちゃん、ありがとう。しかし俺も45歳で孫が出来るとは思わなかったよ」と言いながら、翼は背伸びをしたあとに優しく微笑んだ。 信治は法子を手招きをして、一緒に婚姻届を出した。 皆でドキドキしていると「はい。おめでとうございます。あなた方は、夫婦として認められましたよ」と言い、役場の職員はニッコリ微笑んだ。 この日は、京一・靖治・海も呼んで暁美のお店を貸し切りにしてお祝いをした。 そのとき、海が「結婚式、早めに予約しておくとお得だよ」と教えると、法子が目を輝かせながら「しんちゃん、早く結婚式しよ♡」と言ってきて、信治はタブレットをバッグから取り出すと一緒に検索をしていた。 その様子を、関谷は落ち込んだ顔をしながら見つめていると「つと、お前の気持ち。すっごくわかるよ」と言い、靖治が関谷の肩を叩きながら、バーボンの瓶を手にしてやって来た。 関谷が「血は繋がっていないんスけれど、いざこうなると寂しいモンっスね…」と言い、緑茶ハイを飲んだ。 「そうだな。でも法子ちゃん、凄えイイ顔してるよ♪俺も長女の未知瑠(みちる)が嫁に行ったときは相手を憎んだけれど、でも未知瑠もさ、法子ちゃんみたいに凄えイイ顔してるのを見たら、何にも言えなくなったよ」と言い、靖治はニカッと笑った。 すると「そうだぞ〜?俺も44で結婚して46歳で子ども産まれたけれど、親の気持ちがよくわかったよ♪」と言いながら、海もニカッと笑った。 関谷は涙ぐみながら「お二人とも、ありがとうございます…京一のときもだけれど、あの兄妹には幸せになって欲しいんスよね…」と言うと「バーカ。お前らが両親になってからは、十分幸せだよ。京一だってマトモになって音楽活動をしながらだけれど働いているし、法子ちゃんだって幸せな顔をしてンじゃんか。きっと大毅も大毅のカミさんも喜んでるよ」と言い、翼は関谷の肩を力強く叩いたあと、肩を抱き寄せた。 その男達を、結羽菜と暁美は優しい眼差しで見つめていた。 そんなこともつゆ知らず、信治と京一はダーツでニギリをしながら盛り上がっていて、法子は結羽菜のお膝の上で眠っていた。 この日は、閉店時間まで大いに盛り上がった。
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