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待ちに待った結婚式で、皆それぞれ駆けつけてくれた。 信治はこの結婚式のために、髪の毛を黒く染めていた。 誓いの言葉を言ったあとにキスをすると、拍手喝采が巻き起こる中、関谷は大号泣をしていて結羽菜に慰められていた。 京一が「のんこ、おめでとう。凄く綺麗だよ」と言いながら、優しく微笑むと「にぃちゃ、ありがとう♡」と言い法子はニッコリ微笑んだあと、京一の頬にキスをした。 暁美が「のりちゃん、おめでとう♡肌寒いけれど、大丈夫?」と言うと「あけママ、ありがとう♡うん♪こっこちゃんがいるから、温かいよ♡」と言いながら、法子はお腹を優しく撫でた。 信治も色んな人に声を掛けられていて、翼が「海といい、お前といい、もう誰も独身貴族はいねぇみたいだな?」と言い、烏龍茶で乾杯をした。 「今まで俺さ、無精子病だって言われてたから、子どもを諦めてた。でも、法子はずっと励ましてくれたり、こんな俺なのに側にいてくれたンだわ」と言い、信治は照れ笑いをした。 「あの子は、お前の中身を見てくれたンだよ。あの子はさ、俺らの経験したことない色んなのを見てきたり体験をしてきたンだよ。だから、お前を選んだンじゃないかな?」と言い、翼は優しく微笑んだ。 信治が「タスっちゃんと出会えて、本当に良かったよ。あんがと♡」と言い、照れ笑いをしていると「お〜!若者たちよ!呑んでるか?」と言いながら、顔を赤くした左京がやってきた。 翼は苦笑しながら「いやいや、アンタも俺らと年齢変わンねぇから!」と言うと「んっ??そうか?まぁ細けぇことはいいから、今日は楽しもうぜ!」と言い、左京は豪快に笑った。 普段の左京はクールで男気があるが、楽しかったり嬉しいときのお酒は陽気なオジサンへと変貌していた。 何度か翼も一緒にライブで共演したことがあり、翼も左京のことをサキョと呼んでいて左京も翼のことをあえてツバサと呼んでいて、お互いにタメ口だった。 海と靖治とも仲が良く、たまに曲を手掛けたり映像制作をしていた。 結婚式も終盤となり、法子は関谷と結羽菜にそれぞれ手紙を書いてきたということで、関谷と結羽菜が驚いていると「パパへ。パパ、12年間お世話になりました。パパは、いつも口うるさくて嫌いでした。でもママやにぃちゃやしんちゃんが、それはのんのことを思っていて心配をしているンだよと教えてくれて、のんはパパのことが大好きになりました。パパは、世界一のパパです。ありがとうございました」と言い、法子は関谷に一礼をして「ママへ。ママ、12年間お世話になりました。パパに怒られたとき、いつもママは優しく慰めてくれて大好きでした。ママに怒られたことは一度もなかったけれど、ママみたいな素敵なママになりたいと思いました。ママは元男の人だけれど、のんにとっては世界一のママです。ありがとうございました…」と涙声で震えながら読み上げると、信治は優しく微笑みながら、法子の肩を抱き寄せた。 「ありがとう!法子、幸せになるンだぞ!」と関谷も涙声で言うと「法子ちゃん、ありがとうね。あなたに出会えて本当に良かった。幸せになるのよ?」と言い、結羽菜も涙を流しながら、優しく微笑んだ。 それぞれに花束を渡すと、翼と左京がオリジナル曲をサプライズで歌い始めた。 「お前はいつも言っていたね。 自分に自信が持てないンだと… 俺はわかっているさ。 自分が思っている以上にカッコイイんだぜ? それをわかってくれる女は 必ずやって来るよ。 そのことを忘れてくれるな」 二人が歌っていて、海がギター・靖治がドラム・暁美がベースで演奏をすると、大いに盛り上がった。 信治が「お前ら、大バカだろ…」と言いながら、大号泣をした。
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