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小学生の頃からバスケットをしていたせいもあり、モテモテだった。
外国人みたいな顔立ちがコンプレックスで、この顔立ちのせいで同級生たちからは、女子からは見た目で判断をされて告白をされ、男子からはイジメやからかいにあっては泣いていた。
父方の祖父が異国人だったということもあり、この顔立ちが大嫌いだった。
このような体験をしてきたのもあり、どんなに辛い思いや苦しいことがあっても人には優しく接しようと心に決めた。
双子で兄の誠治はあまり気にしていなかったものの、二人はいつも行動をしていた。
中学生となり信治はバスケット部で、誠治は軽音楽部に入った。
このときに誠治は不良の仲間入りをし、信治は部活に勤しんでいたおかげもあって、体力もついてきてさらにモテモテとなった。
この日も部活を終え、帰っていると他校の中学生の女子からファンレターをもらった。
「んー…困るンだよなぁ…」と思いながら頭を掻きながら家に帰ると、誠治たちが部屋で音楽を大音量で聴いていて盛り上がっていた。
実家はレストランで、信治・誠治目当てで食べに来るお客ばかりだったが、信治は夏休みとかはお小遣い稼ぎとしてお手伝いを真面目にしていた。
中学二年生となり、誠治の部屋でデスメタルバンド・刹那*setsuna‥を聴いて、脳天に雷が落ちるほどの衝撃を受けた。
それまでは音楽なんか聴かなかったほど、毛嫌いをしていた。
「俺は何をやってるンだ??バスケなんか、してる場合じゃねぇ!」と思い、お小遣いを手にして都内へと向かい、ギター一式を購入し独学で練習をしたら楽しくなっていき、バスケ部を辞めてギターにのめり込んだ。
見る見る上達していき、中学二年生の文化祭で刹那*setsuna‥のコピーバンド・RIOTERSたるものを誠治と結成し、今までの髪型ではなくモヒカンスタイルにして、メイクもCROWのマネをし、華々しくギターデビューをした。
ちなみに誠治は、ボーカルを担当した。
モヒカンスタイルにしてからはさらにモテモテとなってしまったが、メイクのおかげでコンプレックスだった外国人みたいな顔立ちが気になくなったのが、とても嬉しかった。
それから体型もふっくらしていたため、食べては吐いてを繰り返していくうちに拒食症となり、ましてやお肉を食べるだなんて動物たちに可哀想だと思って食べられなくなったのに、魚介類と野菜はヘルシーだからという理由で何とか食べられるようになった。
高校へ入学をし、軽音楽部に入部をして出会ったのは三ツ矢大毅と野々宮暁美で、刹那*setsuna‥の魅力について意気投合をしたのがキッカケで、BLOOD×BLOODを結成した。
大毅は関西方面の出身で、ひょんなキッカケでこの町へとやって来た。
帰国子女で、顔はくっきり二重でまつ毛も長くて女性みたいな顔立ちだったが、喧嘩っ早くて口より手が先に出てしまい、たびたび信治とは喧嘩をしていたが、それでも仲良しだった。ベースは「弦が少ないから」という理由で始め、またボーカルも「歌っているだけならラクやな」という理由で、ボーカル兼ベースとなった。
暁美は隣町に住む女の子で、スラッとした長身で痩せていたもののパワフルなドラムを演奏をしていた。
ドラムを始めたのは、洋楽のドラマーにも女性がいてカッコイイと思い、高校に入学をしてから軽音楽部に入ってからドラムをやってみたら楽しくなっていったとのことだった。
三人はいつも一緒にいて、恋愛関係になるというよりも仲間となった。
高校を卒業し、動物が好きだったということもありトリマーの専門学校へ進み、メンバーも一緒に上京し、信治の学校のことを考えて夜のみライブハウスで活動をしていた。
BLOOD×BLOODのライブは過激で、いきなり信治はカミソリで自分の身体を傷つけたり客とも喧嘩をして流血や生傷が絶えなかった。
土日祝日とゴールデンウィークや長期休みのときには、引越し業者で働いていた。
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