ふぉーりん・らぶ

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「うっひょー!雲ひとつ無い、いい星空だぜ!」  俺、葛城ユータ!高校二年!自粛明けで今日からがこー!からのがこおわーからのじゅくおわー。 「相変わらず、ユータは騒々しいな。てか、ずいぶん軽装だな。」  コイツ、神崎ナオト!超真面目なクールメガネ!なんでか知らないけど、今日は一日ヘルメットをかぶってる。 「ナオトこそ、なんでヘルメットかぶってるんだ?」  もうすぐ夏休みだってのに、風通しの悪いヘルメットは毛髪によろしくない。 「今日は夜から晴れのちメテオって朝の天気予報でやってたぞ。」 「うげぇ、そうなの?降星確率何パー?」  とその時、 「いてぇっ!!」  俺の頭に強烈な衝撃が走り、真っ暗な眼前の中にチカチカと星が瞬く。 「天気予報って当たるんだな。降星確率40%だったけど、メテオ・ストライクしたから降星確率100%だな。」  ナオトのクールな説明で、頭に隕石が衝突したのだと理解した俺は、ふらつく足に力を入れて倒れないように踏ん張った。 「すんげー、くらくらする……。」 「そりゃあ、メテオ・ストライクだからな……って、おい。 大丈夫か?頭から血が出てるぞ。」  ナオトに言われて頭を触ると、その手にはべっとりとした血がついていた。 「ああー、ついてねぇなぁ……。 せっかく自粛が開けたってのに、自主自粛しなきゃいけないじゃんかよー。」  暗澹とする気持ちを素直に口に出すと、同情したナオトが俺に妙案を持ちかけた。 「せめてさっきの隕石を拾って金に変えたらどうだ? ウルカリとかで結構い値段になるんじゃないか?」 「そうだな、星は当たったやつのモン……隕石拾得権を行使するか……。 なんか珍しいヤツだといいなぁ。」  俺は頭を殴打した隕石を探して、地面に落ちたあたりを見回した。
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