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そして最後には笑い話で電話を終えた。
これから一人暮らしするのに、恐ろしい話を聞いてしまった。
しかし、誰の情報かもわからないし、作り話の可能性だってある。
あまり、考えないことにした。
すっかり目が覚めたので、この時間にアパート探しをすることにした。
運悪くも大学はあの事件が起きたという〇〇市にある。
「嫌だなぁ…」
事故物件かどうか調べてから引っ越せば大丈夫だろう。
とりあえず安くて敷金礼金がない所を探してみよう。
「えっ! 安くて綺麗」
築45年の木造建築でそれなりに古いが、部屋だけはやたらと綺麗なアパートを見つけた。
家賃も安い、敷金礼金なし。ささやかだが家具もついている。
喜びながら人差し指で端末画面を滑らせる。1人で住むには勿体ない広さだ。外見はともかく中身が良いなら文句はない。
もう住まない理由がない。早いうちに不動産屋へ連絡して契約を結ぼう、そう思った時だった。
和室の画像で指先を滑らせたら、ふいに押し入れが映った。
押し入れは隙間が開いていて
その隙間から一瞬
人影のようなものが見えた。
小さな
女の子だった。
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