あとがき

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あとがき

Lilyという名前ですが男性です。今作をお読みくださってありがとうございます!!感謝ァ!!! このお話は実話から始まりました。いや、こんな体験はしてないですけど。 彼女とドライブデートをしていた時に、目的地までの道のりで山道を走っていました。その途中側道を曲がれとナビに命令されて進んでいくと、その先は村だったんですね。 何気なくそこを走っていると助手席に座っていた彼女が突然「えっ、なにあれ。」というのです。何があったのかと聞くと、人だと思っていたのに通り過ぎる際に見たら人形だった。というんです。 んなバカな、と思って走っていると道の先、歩道に農作業中みたいな服装の男性がいたので、通り過ぎる際にミラーで確認してみたんです。 めっちゃリアルな人形でした。 何だここと思って車を止めて、幸い後続もいなかったものですから道の真ん中で窓を開けてエンジンを切って顔をのぞかせました。 何も音がしないんです。人の気配も、何の音もない。本当に生命体だけが消えた感覚。 怖いな〜、怖いな〜と思ってその村から去った。 という実話を元にこのお話を作りました。いやー怖かった。だってそのあといくら調べても出てこないんですもん。そこそこに不気味だなと思ったのでここから膨らませてみようと思い、プロットを練り始めました。 最初は村人全員がダムの底に沈んで〜みたいな話にしようと思ったんですけど、なんかなぁと。そんなマンション立ち退き反対!みたいなノリで呪われてもなぁと思って、色々と調べ物をしている時に見つけたんです。 座敷牢、私宅監置。 もちろん言葉は知ってましたし、精神的に異常があるという患者を自宅の牢に閉じ込めるという荒療治をしていたということも知っていましたが、まさかその制度が1950年まであったとは驚きでした。さらには1960年、まだ沖縄が琉球として米軍統治下にあった時は琉球精神衛生法として私宅監置があったそうなんです。1972年の本土復帰に伴って廃止されましたが、結構最近まであった感じですよね。 じゃあこの座敷牢を軸にしてみようと思ったわけなんですけれども、これ、あるよな。と。座敷牢をテーマにしたホラー作品なんて腐るほどあるよなと。でもここでそういう作品を探すと創作意欲がすっからかんになってしまうと思って、少しだけ捻ってみることにしました。それが、本当は精神病者ではない、という設定でした。 よく村という閉鎖空間で除け者にされ、村人達からいじめに遭うなんていう話ありますよね。性格悪いやつがいたいけな少女に罵詈雑言を浴びせる、とか。多分あるよね。 じゃあそれに座敷牢という設定を1つ加えてみよか〜ということで、少女の霊が元凶だと思いきや実は精神病者でも何でもなくて、元凶は他の村人たちだった、というオチ(?)にしてみました。いかがでしたか。早い段階で分かるかな。だとしたら結構病むんですけど。 今回ホラーは2作目です。1作目の呪童の歌という作品は最終的にバッドエンドでした。今回は何かしら報われるハッピーエンドを書きたいな〜と思って、こういうオチにしました。もし「バッドエンドが読みてぇよ!誰も報われるなよ!」というひどい性格の人がいらっしゃったら、ぜひ呪童の歌も読んでみてください。
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