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「……お母さん、頑張るからね」
自分の吐き出した息が視界に白い靄をかけるけれど、その中でも一際輝く光が紺色の空を流れた瞬間、急いで目を閉じる。
__星降る夜に私は願う。
__早くこの子に会えますように。
するとこの寒空の下、どこからかふわりと吹いた温かな風が冷えたこの頬をそっと撫でる。
不思議に思いながら振り返ってみると、そこには見慣れた鳥居があるだけ。
……気のせい?
まるで何かに手招きをされるように、古びた鳥居を潜るとお腹を擦りながらゆっくりと階段を登る。
すると木々に囲まれた小さな神社には、先客がいた。
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