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「……いいけど」
と、戸惑いながら頷いたのはどこかで誰かに話を聞いて欲しいと思っていたからなのかもしれない。
私達は誰もいない本堂の横にあるベンチに腰を下ろすと、男の子はゆっくりと口を開く。
「赤ちゃんは、いつ生まれるんですか?」
「臨月だから、もうすぐだよ」
「……そうなんだ。触ってもいいですか?」
「え? あ、うん」
と、頷くと男の子はゆっくりと私の大きくなったお腹に触れる。
その瞬間、ポコリと動いたのがわかったのか目を見開いて驚いた顔をする姿に思わず笑みが漏れる。
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