好奇心は猫をも殺す

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「うっ、うーん、痛てて」  意識の覚醒と共に頭痛に襲われ頭に手を当てようとした。   ” ガシャ ”  手から金属音がする。  瞼を開くと千鶴の手首は手錠がハメられている。  ????? 「なんで?」  慌てて、自分の体に視線を落とすと服はちゃんと着ていて、ホッと息を吐いた。 ── 良かった。  そして、白い革張りのソファーに寝かされている。そのソファーは、ゆったりとした作りでアメリカンサイズっていうの?絶対に値段が高いヤツだ!  ゆったりとしたソファーが置いてある部屋は、ムダなほど広くて学校の教室と変わらないぐらいの大きさ。白で統一され高級ホテルみたいなところだと思った。  まわりの様子を伺いながら、そっと、ソファーから身を起こした。 「やっと、起きたか」  低い声が聞こえ、千鶴はヒャッと身を竦め視線を泳がす。  窓際にある一人掛けのソファーから声の主がゆったりと立ち上がった。  仕立ての良さそうな細身のスーツの下は、鍛え抜かれた俊敏な体躯が隠されている、黒豹を思わせる男性。その瞳は一瞬で中身まで射貫くような鋭さを持っていた。  獲物を狙い定めたかのように森林の王者、黒豹が一歩一歩距離を詰め近づいてくる。その瞳に捕らえられた獲物のように立ち竦む。  ” この人に殺されるなら仕方がない ”  なんだか、そう思った。  男性は、千鶴の顎を掴み、顔を覗き込む。  顎を捕まれ、恐怖で体は細かく震えているのに黒豹のような男性から目が離せない。  このまま喉笛を掻き切られていくのを待ちわびているのかもしれない。
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