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「お前、歳は?」
男は千鶴に、黒い瞳で真実を告げろと語り、息が掛かるほど近い距離で話し掛けた。
心臓がドッドッドッと千鶴の不安の分だけ早い音を立てていた。喉がカラカラに乾いて、絞り出すように答える。
「もうすぐ、20歳です」
「名前は?」
「小林 千鶴」
「住所は?」
「新山下」
「処女か?」
「へ?」
一瞬、理解出来ずマヌケな返事にイライラした様子で聞かれた。
「男とヤッたことがあるのか?」
「ないです」
千鶴は、なんだか泣きたくなってきた。
「死にたいか?」
「へ?」
なんで、いきなりその質問
「死にたいのか?」
もう一度聞かれて、これはかなりマズイと認識する。
「まだ、死にたくないです」
半泣きの状態でコレだけやっと答えた。
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