2日目 目覚め

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「どうする?」  ヒカルが訊いた。 「ん……空き家とか島を探索してみよう。部長がどこかに隠れているかもしれないし、第三者がいるかもしれない」 「第三者って?」 「この島のもとの住民とか釣り人とか……この宿の前の住人とかね」  ヤクザなら死体を見つけたら適切に処理するかもしれない。そんな考えが浮かんだ。 「生き返ったとかは? ほら、この島パワースポットだし」  現実を受け入れたくないのか、メイは薄笑いを浮かべていた。 「うーん……可能性がないわけじゃないけど、それなら戻って来てもいいと思うし、このカードが……」  そういってリョウヤは死体の替わりに置かれていたカードをテーブルに置いた。 「ああ……」 「どういう意味だ?」  カイトが訊いた。 「人狼ゲーム的に考えると、部長は市民だから人狼に殺されたって意味だと思う」 「これって昨日使ったカード?」 「そうだと思う。昨日最後にゲームしたあとここのテーブルに置いたままだったんだけど」  リョウヤがテーブルの端に纏められた雑貨に目を向ける。そこにトランプより少し大きいサイズの人狼ゲームの箱があった。  ヒカルがそれを手に取るとリョウヤに渡す。リョウヤは箱からカードを取り出し説明書を確認しながらカードを数えた。 「どうだった?」  ヒカルが訊いた。 「うん。何枚か抜かれているね。しかも」  リョウヤはランを見る。 「え? あたしじゃないよ?」  ランは手を振って否定する。 「ごめん、ランちゃんが盗ったってことじゃなくて部長の一枚を除けば」  毛布の下にあった市民のカードを横に置く。 「9枚足りない。市民カードが7枚と人狼カードが2枚」 「それって……」  ヒカルは険しい顔でランを見る。ランは意味がわからず困惑している。 「僕達の残り7人とクジさんとランちゃん。その9人って意味だよ」  リョウヤはゆっくりと説明した。 「え? え? どうゆうことですか?」 「クジさんも含めて、もし悪意を持った人がこの中にいたらランちゃんも狙われるかもしれないってことだよ」 「やだ……」  ランは手で口を隠して怯える。ヒカルがランの背中をさすって慰めた。
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