2日目 目覚め

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 コウのイタズラだとして、死体確認や人狼カードの件はどうなんだという話になる。ただタケオは一つだけ可能な方法に気づいていた。  協力者。  極端に言えば脈を確認したヒカルと死体を運んだリョウヤとカイトが結託していればコウを死んだ事にしてこんなイタズラは可能だ。ヒカルだけ、あるいはリョウヤだけでも可能かもしれない。  ただ……そんな事をして何の意味があるのかはわからなかった。 「アンちゃんは何か意見はある?」  リョウヤが訊いた。昨晩の人狼ゲームでやったゲームマスターのようだ。アンは首を横に振っただけでずっとうつむき気味だ。 「他のみんなは?」  イタズラ説を信じたいので誰も何も言わない。 「部長のイタズラだと信じたいけど、念のため島内は調べようと思う。それでいいかな?」  みんなもその意見には同意してうなずいた。 「全員でいってもしかたないから女子は残ってくれる? 昼食の用意もしてくれると助かるよ」 「わかった」  ヒカルが答える。 「アンドウ君とオズ君は来てくれる?」 「いいぜ」 「わかった」  カイトとタケオは席を立つ。 「小さな島だからそんなに時間はかからないと思うけど、お昼前には一度戻るよ」 「待って。洗濯をしようと思うけど、なにかやって欲しいものある?」  ヒカルが呼び止めた。 「え? 洗濯ってどこで?」  カイトはキョロキョロと見渡す。 「お風呂の隣に洗濯機と乾燥機がある部屋があるから」  洋館に到着した時にクジに案内されたが、その時に確かに説明されたことをみな思い出していた。タケオもその時は使う事なんて考えなかったが、一週間も泊まり海水浴もするなら当然使う必要があるものだ。 「ヒカルちゃんのパンツと一緒に洗われるのは照れるな」  カイトがそんなことを言った。今朝から本当にかわったなと思うタケオ。昨日まではヒカルに喋りかけることすらどこか遠慮があったからだ。 「男子と女子で別々に洗うに決まっているじゃん」 「そっか。残念」 「うーん、じゃあ悪いけどお願いしようかな」  リョウヤがそう言うならとタケオとカイトも寝間着と下着、そして水着を渡した。 「洗ったら洗濯室に置いておくから勝手に持って行ってね」 「わかった、ありがとう。じゃあ行こうか」 「リョウヤ、気をつけてね。二人もね」  そうして三人はヒカルに見送られて洋館を出発した。
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