はじめに

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はじめに

三国志は基本的に 正史「三國志」からエピソードを取材して 構成されているんですが、 中にはそこ以外の伝記から エピソードが取られたりもしています。 その代表格が「世説新語」。 正史「三國志」ができてから、 約150年後に編まれました。 我々にしてみれば、ほぼ同じ時代の 史料という事ができるでしょう。 そこに載っているエピソードは、 ぶっちゃけ胡散臭いです。特に曹操回り。 けど、三国志たちのキャラクターを 掘り下げるための一役を担っています。 かれらの思いもかけない一面を 見られるんではないかな、 そう期待しています。 ここから先は、以下のように展開します。 ・魏編 曹操をはじめとした、三国志の最大候補 「魏」の面々のエピソード。 世説新語って言う本の性格上、 文官ばっかりで、武将がいません。 なので、割と地味。 うーんこの。 ・蜀編 「三国志演義」の主人公、劉備率いる 蜀のみなさま。 薄いの。ものすごく。ヤバい。 ・呉編 「三国志演義」のトリックスター、 孫氏一族率いるみなさま。 「三国志」時代ののち、 北の地には異民族が群雄割拠を繰り広げ、 漢人たちは、この呉の地に 逃げ込まざるを得ませんでした。 そう言う地の先人だから、なんでしょうか。 蜀よりは厚いです。蜀よりは。 それにしたって薄いんですけどねー。 ・晋編 広く知られている三国志では オマケ扱いの人たち。 ただこの世説新語、基本的には 「晋の人たち」を描くものなので、 本来はここが凄まじく厚いです。 ただ、そこ紹介するときりがなくなるので、 晋の武帝・司馬炎が天下を統一する辺りを ゴールと設定しています。 なお、ここでは魏と晋の交代期で 二国間の葛藤を体現したような存在 「竹林七賢」についても取り扱います。
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